オオクニヌシっていう神様はとても人気があるって聞いたけど?

椿

じゅんたん
そうだね。イケメン&苦労人の神様だからね。多くの試練に立ち向かい克服してきたところも共感を得ているよ!
苦労人?試練?詳しく知りたい!

椿

じゅんたん
オオクニヌシの神話は数多くあるけど、中でも有名な「因幡の白兎」と「国譲り」神話について説明しよう。
どちらも聞いたことあるわ♪

椿

雷切丸
オオクニヌシ…どれほどの力量か見極めてやろう!
皆さん、こんにちは。じゅんたんです。
日本神話シリーズ第4弾は国造りの神様「大国主命(おおくにぬしのみこと)」です。
日本の神様の中でも人気のあるオオクニヌシについて有名な神話をご紹介していきます。
少しでもオオクニヌシに興味を持っていただければ嬉しいです♪
目次
◆女性ファンも多い!?国造りとイケメンの神「大国主命」
出典元:http://xn--dvd-ib5hp39g.jp/postcard/god-6/
大国主命(おおくにぬしのみこと)は国造りをした神様として有名です。
神様の分類としては国津神(くにつかみ)と呼ばれる神様で、国土を治めていた地神のことをいいます。
大国主命=国造り
というイメージが強いですが、後に説明する神話でもあるように国譲りも行なっています。
さまざまな困難に立ち向かい試練を乗り越えていく姿に共感する人が多いようですね!
では、オオクニヌシを取り巻く家系図はどのようなものか見ていきましょう!
大国主(オオクニヌシ)の家系図
まずはオオクニヌシの親から。
天之冬衣神(あめのふゆきぬのかみ)。出雲の国よりはるばる能登まで来臨し国を治めたとされる神様。石川県輪島市にある重蔵神社の御祭神。
刺国若比売(さしくにわかひめ)。母が子に持つ「無償の愛」を象徴する神様。母への感謝の気持ちを願う時はこの神様です。鳥取県の赤猪岩神社に祀られています。
オオクニヌシの先祖は三貴子と呼ばれる神様のひとり須佐之男命(すさのおのみこと)です。
スサノオとクシナダヒメとの間に生まれた神々の子孫ということですね。
特に母神のサシクニワカヒメは息子のオオクニヌシを愛したといわれています。
スサノオとの繋がりはここにあるのね!

椿
次にオオクニヌシの妻について。
実はオオクニヌシの妻はめちゃくちゃ多いです。(笑)
さすがイケメン神様。
- 須勢理毘売命(すせりびめのみこと)
- 多紀理毘売命(たぎりびめのみこと)
- 神屋楯比売命(かむやたてひめのみこと)
- 八上比売(やがみひめ)
- 沼河比売(ぬなかわひめ)
- 鳥取神(ととりのかみ)
多いですね。(笑)
この中から神話「因幡の白兎」に登場する八上比売と正妻の須勢理毘売命をピックアップします。
八上比売(やがみひめ)。オオクニヌシの最初の妻。因幡国の女神でオオクニヌシが兄たちからいじめられていた時に結婚します。「本物を見極める」眼を持つ神様。
須勢理毘売命(すせりびめのみこと)。オオクニヌシの正妻。スサノオの娘でありオオクニヌシの国造りをサポートした女神様です。そのためパートナーシップなどにご神徳があるといわれています。

じゅんたん
スセリビメの機転によってスサノオからの試練を乗り越えて行くよ!
次にオオクニヌシの兄弟ですが、日本神話には明確に記載されてはいません。
しかしオオクニヌシの兄は非常に多いため八十神(やそがみ)と呼ばれています。
八十神は弟のオオクニヌシにいじわるをし、恨み、ついには殺してしまうのです。

雷切丸
解せぬ!
最後にオオクニヌシの子です。
子も多いので、ここでは国譲り神話に登場する建御名方神をピックアップ。
建御名方神(たけみなかたのかみ)。誰との子かは記録にありませんが、沼河比売(ぬなかわひめ)との間に生まれた子という説があります。勝負の神様として戦国武将の多くから信仰を得てきました。長野県の諏訪大社の御祭神。
勇猛果敢な神様。
強いものに臆することなく最後まで諦めずに戦う姿勢は武士道に通づるものがあります。

雷切丸
強そうだな!戦ってみて〜!
オオクニヌシのご利益は?
国造りの神オオクニヌシのご利益は以下の通り。
- 縁結びの神
- 子授の神
- 夫婦和合
- 医薬
- 病気平癒
- 産業開発
- 交通・航海守護
- 商売繁盛
- 五穀豊穣
恋多き神様であることから、縁結びや子授、夫婦和合などご利益が目立ちますね。
また国造りをしたことからも産業開発などのご利益もあるようです。
オオクニヌシが祀られている神社の代表は出雲大社です。
他にも多数の神社で御祭神として崇められています。
- 出雲大社(島根県)
- 大国主神社(和歌山県、大阪府、長野県など)
- 大神神社(奈良県)
- 気多神社(石川県)
- 北海道神宮(北海道)
- 氷川神社(埼玉県)
- 金毘羅宮(香川県)
- 都農神社(宮崎県)
などなど。全国各地で祀られています。
◆国造り神話のきっかけとなった「因幡の白兎」
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より
出典元:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E5%9B%BD%E4%B8%BB
大国主命を語る上で欠かせないのが「因幡の白兎」神話です。
有名な神話なのでご存知の方も多いと思いますが、詳しく見ていきましょう。
物語は大国主命が毛皮をはがされたウサギの話を聞くところから始まっていきます。

うえーん。。。

白うさぎ

オオクニヌシ
兎さんどうしたんだい?
毛皮が剥がれて治らないよー。

白うさぎ
オオクニヌシは困り果てている白兎に詳しく話を聞いてみました。
白兎の話はこうです。
隠岐の島に住む白兎はある姫神に会いに因幡の国へ行きたいと考えていました。
しかし、因幡の国へ行くには海を渡らなければなりません。
そこで白兎はワニザメたちを利用して海を渡ろうを考えます。
ワニザメさん、君たちの仲間と僕らの仲間どちらが多いか比べてみようよ。

白うさぎ

ワニザメ
おい兎!俺たちに喧嘩売ってんのか?こっちのが多いに決まってんだろ!
じゃあ証拠を見せておくれよ!因幡の国まで届くくらいの数なら認めるよ。

白うさぎ

ワニザメ
上等だこら!野郎ども!集まれ!
こうして白兎にまんまと騙されたワニザメは因幡の国まで列を作っていきます。

白兎はワニザメの上をピョンピョンと飛び移りながら移動していきました。
因幡の国まであともう少しのところで、嬉しくなった白兎はワニザメにこう言います。
ワニザメくん、ありがとう。君たちは騙されたのさ♪

白うさぎ

ワニザメ
んだとー!!!騙しやがったな!
白兎に騙されたことを知ったワニザメたちは怒り、白兎の毛皮をむしり取り丸裸にしてしまったのです。
砂浜で泣いている白兎を見つけたオオクニヌシの兄神たちは白兎を見るや否やこう言います。
海水で体を洗い、風に当たってよく乾かし、高い山の頂上で寝ていれば治るだろう。
白兎はすぐに助言を聞き入れ試してみますが、良くなるどころかますます酷くなってしまいました。
兄神たちの助言は全くのデタラメだったのです。
兄神たちは因幡の国に八上姫(やがみひめ)という美しい姫がいることを聞きつけ、お嫁さんにするために因幡の国へ向かっている途中でした。
うえーん。ますますひどくなったよ〜。

白うさぎ

オオクニヌシ
なるほど。そういう経緯があったのか。
もう騙したりしません。だから助けてください。

白うさぎ
兄神たちの荷物を全て背負わされていたオオクニヌシは一人だけ出遅れていたのでした。
痛がる白兎をかわいそうに思ったオオクニヌシは次のように助言します。
水門に行き真水で体を洗い、蒲の穂を敷いて転がるように。

オオクニヌシ
海水はダメだ。真水で洗いなさい。
教えのとおりにすると、兎の体は元通りになりました。
喜んだ白兎はオオクニヌシにお礼をするとこう予言します。
私が会いたい八上姫は、あたなのような優しいお方の妻になりたいと言われるでしょう。

白うさぎ
白兎の予言通り、八上姫は兄神たちの求婚をことごとく跳ね除け、オオクニヌシの妻となったのでした。
オオクニヌシが優しさも兼ね備える神様であるのはこのようなエピソードがあるからです。
しかしこのことが原因で、兄神たちに恨まれ殺されてしまうのです。
◆唯一無二のパートナー「スクナヒコナ」との国造り
出典元:http://xn--dvd-ib5hp39g.jp/postcard/%E5%B0%91%E5%BD%A6%E5%90%8D-2/
何度も意地悪な兄から妬まれるオオクニヌシは、その横暴から逃れるうちに根の国へたどり着きます。
根の国とは神話の世界では遥か遠く離れた国のことをいいます。
いわば黄泉の国(死者の国)に近い世界ですね。
スサノオはオオクニヌシに対して次々と試練を与えていきます。
そして「娘のスセリビメを妻にして国を治めてみよ」と言い放つのです。
オオクニヌシはスセリビメを妻に迎えサピートしてもらいながら試練を乗り越えていきます。

雷切丸
マンガの主人公みたいだな!
でも妻にはヤガミヒメがいるよね?

椿
こうしてオオクニヌシの長きに渡る国造りが始まることとなります。
オオクニヌシの国造りの一つにスクナヒコナとの出会いがあります。
スクナヒコナは農耕や医療などさまざまな分野で力を発揮する神様です。
少彦名命(すくなひこなのみこと)。オオクヌシと共に国造りを行った神様。とても小さく一寸法師のモデルとなった神様です。「温泉の神」「まじないの神」「酒造の神」「薬の神」など多くのご神徳を持ちます。
スクナヒコナ!聞いたことあるわ!

椿
スクナヒコナはカミムスビと呼ばれる神様の指の間からこぼれ落ちてしまった子です。
カミムスビはスクナヒコナにオオクニヌシと協力して葦原中国(あしはらなかつのくに)を造り固めるように命じます。

スクナヒコナは小さいけどオオクニヌシにとってはとても頼りになるパートナーでした。
スクナヒコナ無くして国造りはできないと思うほど唯一無二の存在となっていきます。

オオクニヌシ
頼りにしているよ!
しかしオオクニヌシにまたもや困難が立ちはだかります。
あと少しで国造りが完成という頃に、スクナヒコナはオオクニヌシの前から姿を消し、常世の国へと旅立ってしまいました。

オオクニヌシ
戻ってきておくれよ〜。
◆オオクニヌシの国譲りと天孫降臨

- 意地悪な兄神に二度も殺される。
- スサノオに何度も試練を与えられる。
- 国造りのパートナー「スクナヒコナ」との別れ。
ここまで何度も困難を乗り越えてきたオオクニヌシに最後の試練が立ちはだかります。
高天原を治めていた天照大御神(あまてらすおおみかみ)が「葦原中国は自分の子が統治するべき国である」と言い始めるのです。

雷切丸
そんな理不尽な!
オオクニヌシがスクナヒコナと苦労してつくり上げた国を、自分たちの国だと言うのですから納得できるはずもないですよね。
高天原と葦原中国で戦いが始まっちゃうの?

椿
いいえ。ここが神様のすごいところで、武力による争いではなく話し合いで交渉を始めます。
高天原からは次々と使者が送られてきます。
最初の使者は3年、次の使者は8年かかってますが、いずれも交渉は不成立。
そこで三度目の使者として雷神・剣の神タケミカヅチを派遣し、強引に交渉を進める作戦に出ます。

雷切丸
何っ!?雷神だと!
この頃になると葦原中国の統治もオオクニヌシの子供へと受け継がれています。
オオクニヌシは「私ではなく子供たちが決めること」と言って判断を任せます。
そこでタケミカヅチは、子の事代主神(ことしろぬしのかみ)を承諾させようとします。
コトシロヌシもまたオオクニヌシの国造りを支えた一人で心優しい神様です。
コトシロヌシは国譲りを承諾すると隠れてしまいます。
オオクニヌシは、
コトシロヌシが先頭に立てば私の180人の子供たちも従って天津神に背かないだろう
といい国譲りを認めます。それだけコトシロヌシへの信頼は厚かったのでしょう。
しかし一人だけ国譲りに反対し、抵抗した神様がいました。
それがタケミナカタです。

タケミナカタ
ちょっと待ったー!!
なかなか交渉に応じないタケミナカタに対しタケミカヅチも強硬策にでます。
従わぬか…ならば!

タケミカヅチ

タケミナカタVSタケミカヅチの力比べが始まります。
タケミカヅチの力は凄まじく、ついに科野国(現在の長野県)でタケミナカタを屈服させてしまうのです。
こうして国譲りが行われ、葦原中国は天津神が治めることとなります。
でもこれじゃあオオクニヌシが可哀想…

椿
オオクニヌシは国譲りを承諾する代わりに、「自分を祀る神社を立ててほしい」とお願いします。
こうして荘厳な神社を創建してもらうこととなります。
これが今の出雲大社(島根県)なのです。

じゅんたん
これでオオクニヌシも報われたね!
◆まとめ
これらの神話からもわかるように、オオクニヌシはただのイケメン神様だけでは無いことがよくわかります。
スセリビメやスクナヒコナといった様々な仲間から支えられながら生きてきたオオクニヌシを見ていると、
人は決して一人では生きていけない、人と人とが支え合って生きていくべきである
と僕たち人間にも語りかけられているように思えます。
そしてそれはオオクニヌシの優しさや真面目さという部分を僕たち人間も見習わなければならないのだと考えさせられますね。
雷切丸ただいま戻りましたー!!

雷切丸

???
雷切丸!?ずいぶん遅かったじゃない。心配したのよ。
いやー。途中で幾度と敵に阻まれまして。しかしこの雷切丸が全て跳ね除けました!

雷切丸

???
姫様。だから雷切丸ではダメだと申したのです。
うるせーぞ村正。はは〜ん、さてはお前任命されなかったのが悔しいのであろう!

雷切丸
この俺がいる限りはお前の出る幕はないけどな!フハハハハ!

雷切丸

村正
その自信はいったいどこからくるのだ。
お姉ちゃんただいま!心配かけてごめんね。

椿

???
椿おかえりなさい。無事で良かったわ!
次から次へとどんどん増えますな。

じゅんたん

桜姫
桜(さくら)と申します。よろしくね♪

村正
私は桜姫親衛隊の隊長、村正(むらまさ)だ。よろしく頼む。